ガイドブック「基礎編」

電気代を限りなくゼロにする太陽光発電・蓄電システム

今では、太陽光発電・・・太陽光で電気を創るんでしょ。と皆さん知ってますが、

太陽の光で電気を創り、その電気でできるようになると初めて知った時には衝撃でした。

太陽光の電気で・・・セイカツ???って感じです。

日本で初めて住宅太陽光発電が設置されたのが1992年です。

その後技術も進歩し、今では太陽光で電気を創るだけではなく蓄電池にためて使えるようになり電気の自給自足も可能になっています。

とはいえ、まだまだ誤解の多い機器であることも事実です。

・10年ぐらいで、壊れるでしょ!

・あんな高いもの・・・元が取れないでしょ!

・屋根に穴をあけるから、雨漏れするよ!

・台風で飛んでいくよ!

等、色々な声が聞かれます。誤解を解くために仕組みからご説明します。

①電気を創る(太陽電池モジュール・パネル)

太陽光エネルギーを電気エネルギー(直流電力)に変換します。

②電気を集める(接続箱)

太陽電池モジュールで発電した電気を集め、パワーコンディショナーに送ります。

③電気を変換する(パワーコンディショナー)

太陽電池モジュールで発電した直流電力で家庭で使う電気(交流電力)に変換します。

④電気を送る(分電盤)

変換された電気は、分電盤から家庭内の電気製品に送られます。

⑤電気を測る(売電メーター)

家庭内で電気を使い、余れば売電メーターで計測します。

太陽電池モジュールは、太陽電池をたくさんつなげたものです。一番小さな単位を「セル」といい、その「セル」を板状につなげたものを「モジュール」と呼びます。

太陽パネルの発電性能を表す指標として一般的に使われているのが「モジュール変換効率」です。変換効率が高ければ高いほど高性能といえます。1平方メートルあたりの太陽エネルギーを、どれだけ電力エネルギーに変換できるかが、効率の指標です。

太陽光があたると、光のエネルギーを吸収して電子が動きだし、P型シリコン半導体はプラスになりN型シリコン半導体はマイナスになります。つまり乾電池と同じ状態になり、電線でつなげれば電気が流れます。

何枚かの太陽電池パネルの電気をまとめてケーブル(電線)で接続箱に送ります。

例えば15枚のパネルを屋根に設置した場合

・5枚のグループを3つつくる・・・・3回路

・7枚と8枚のグループを2つつくる・・2回路

と分けることを、回路わけ・系統わけと呼びます。

設置方位・勾配が違う場合、同じ回路にすることはできません。

回路ごとに接続箱につなぎ、ひとつにまとめてパワーコンディショナーに送ります。

7枚と8枚のように枚数が違うと、回路の電圧が違うため電圧を同じにするために昇圧回路付接続箱が必要となります。

パワーコンディショナーは、家庭で使う交流電力に変換し分電盤に送ります。

今では、接続箱・昇圧器を内蔵したものが多くなっています。色々な回路に対応できるのでマルチパワーコンディショナーと呼ばれています。以前は室内設置でしたが、今では室外設置が主流となっています。(塩害地域を除く)

直流電力をどれぐらい交流電力に変換できるかを、電力変換率といいます。電力変換効率96.5%以上のものが多くなっています。

変換ロスは熱に変わるので、パワーコンディショナーの上に物など置かないよう注意が必要です。

パワーコンディショナーから分電盤に電気を送り、分電盤から家庭の電気製品を使います。

使いきれず、余った電気は自動的に売電となります。

水が高いところから低いところへ流れる原理と同じで住宅側の方を高めに設定するため、電柱側に電気が流れるようになります。従って操作は不要です。

売電はメーターで計測され、売電量(kWh)に応じて電力会社が売電料金が振り込まれます。

あらかじめ電力会社に申請し、電力会社の電柱に接続します。このことを系統連係と呼びます。

電力会社の許可がおりなければ、勝手に接続することはできません。住宅側の電圧設定値も電力会社より指示されます。その指示に従い設定します。

天気は、常に変化しているので発電量も変化します。

専用のモニターで見ることができます。

今まで電気料金を払うだけだったものが、電気の見える化で楽しくなったとの声も多く聞かれます。

各メーカーにより、太陽電池パネルの大きさや容量は違います。

300Wの容量のパネルなら

10枚設置・・・300W×10=3000W 3kWのシステム
20枚設置・・・300W×20=6000W 6kWのシステム
となります。

3kWのシステムなら3kW 6kWのシステムなら6kW 快晴なら発電するんですよねって聞かれますが、

最大でも、太陽電池容量の70%~80%となります。

温度損失 パネル表面温度が上がれば損失が多くなります。

パワコン損失 変換時に損失が発生します。

配線損失 電気の特性で損失が発生します。

汚れの損失 受光面の汚れの損失が発生します。

6kWのシステムで・・・70%だとすると、4.2kWです

快晴が1時間続け場4.2kWhの電気がつくれる計算になりますが、快晴が続いたとしてもずっと同じ発電量ではありません。なぜなら、太陽は動いているからです。光のあたる角度でも発電量が変化します。

季節にもよりますが、1日快晴で6kwのシステムで1日の発電量が30kw/hぐらいです。

山陽地域で、1番発電量が多い季節は春です。夏はパネル表面温度が高く温度損失が多くなるため、春のほうが発電量が多くなります。

曇りや雨でも発電量は0にはなりません。夜が明ければ少なからず発電します。曇天の日で6kWのシステムなら1日で3~5kW/hぐらいの発電量です。パネルの上に雪が積もった状態だと発電量は0になります。

太陽光発電の最大のデメリットは、発電が天気・季節に左右され発電が一定しないところです。

しかし、月間もっと長い・・年間でみればある程度同じ発電量になります。各メーカーの発電シミュレーションで確認することができます。

過去29年間の気象データ(日照)をもとに、温度損失係数・パワコン損失係数・その他の損失係数を考慮した各メーカーシミュレーターで算出されます。

同じ容量のシステムでも、地域・屋根向き・屋根勾配などで発電量は変わります。

広島市と松江市では、同じ向き・勾配でも松江市(年間発電量)のほうが15%ぐらい少なくなります。

同じ広島市でも、真南向きと比べると東・西向きはやはり15%ぐらい(年間発電量)少なくなります。屋根勾配でも発電量が変わります。

太陽光発電導入検討での1丁目1番地は、発電シミュレーションです。正確な情報もとに算出することが重要です。

さらに、影の影響(山・建物・電柱)考慮する必要があります。南面が影になる場合かなりの発電量低下になるため、おススメできません。北面も基本的に設置不可です。

太陽光発電Q&A

Q 何年ぐらい使えるの?
A 20年以上と言われています。太陽光発電の住宅への導入は1992年です。ので30年はたっています。適正に設置され必要なメンテナンスを行えば30年使用できることは証明されています。
ちなみに、1996年に長崎県尾上島灯台に設置された太陽光発電は現役で発電しています。各メーカー発電出力保証をつけていますが25年保証がほとんどです。最長で30年保証です。パワーコンディショナーは電気製品ですので15年程度で交換が必要です。

Q 台風で飛んでいかないの?
A 建築基準法の基準で施工しますので、屋根ごと飛ばない限り大丈夫です。万が一被害が出たとしても自然災害保険に加入しますので、補償期間であれば補償されます。その他の自然災害でも補償されますので詳しくはお問い合わせください。

Q 雨漏れしないの?
A はい、しません。「ずさんな工事で雨漏れ」という話はないわけではありませんが、メーカーIDを持った人が施工基準通り施工すれば、ほぼ皆無です。3重に防水対策されています。下見の時点で施工不可の屋根状況であればお断りさせていただいています。

Q 太陽光発電だけでも停電時に使えるの?
A 太陽光発電が発電していれば、1500Wまで使えます。あらかじめ非常用コンセントを設置します。

Q 売電単価が下がったからダメでしょ?
A 売電単価は毎年下がっています。2020年度単価は17円/kWhです。固定買取制度(FIT)のはじまった2012年単価は42円/kWhでしたのでかなり下がっています。設備の導入費用を比べてみると・・標準的な5kWのシステムで2012年約320万円(税込)2022年約120万円(税込)となります。設備の導入費用もかなり下がっています。一概にはいえませんが、設備の償却年数も短くなっています。また売電ではなく蓄電池を組み合わせて使うシステムが主流となっているため売電単価が下がっても大丈夫です。

先ずは、ご自宅に導入した場合の経済メリットがどれぐらいなのか?を正確に知ることがスタートです。お気軽にお問い合わせください